戦山 <863m> (JA/FS-119)  福島県相馬郡飯舘村

戦山 <863m> (JA/FS-119)  福島県相馬郡飯舘村

登山日:2023年5月2日

 虎捕山を下山して399号線の峠にある戦山に向かう。399号線は峠を境にして浪江町へは通行止めになっていると事前情報があったので、飯舘村側から走っていくことにした。国道とはなっているが399号線は途中狭い道で村内は入り組んでいる。とても国道とは思えない道路であった。峠にむけて登っていくと、対向車が意外に走ってくる。この先に通行止めなのに不思議な感じがした。峠につくと、先のほうにゲートがあったが開いていた。ケート手前に事務所があり、その駐車場で軽トラがなにか別の車の人と話している。峠の広い路肩に停めて準備していると、飯舘村側から来た車の中から窓を開けて話かけてくる人がいた。「戦山に登るのですか?」ときかれ、「そうですと答えると」、「その先の参道から車で直下の神社までいけなすよ」と親切にアドバイスしてくれた。「この先から通行止めですよね?」と聞くと、「昨日の5月1日から通行はできるようになった」と教えてくれた。通行できるとは知らなかった。知っていたら登る山の順を変えたていた。車で行けるとのことであったが、状況が不明なこととそんなに距離・高低差もないので歩いていくことにして、車を離れて参道の入口に向かうと、ゲート前の事務所にいた軽トラが近づいてきて「乗っていかないか?」とまた聞かれた。「歩いていきます」と答えたら、「10時から例大祭があるので参加してほしい、隣に新聞記者も同乗している」とのこと。また、「よくわかったな?」(これは例大祭があることをどこで知ったかの質問だった)、「山の無線のポイントなので」などと不明な回答をしてしまった。軽トラはゆっくりと参道を進んでいった。後を追うように広い参道を進んでいく。

陽の出石峠に到着。この先は4月末まで通行止めになっていたが、令和5年5月1日より通行ができるようになっていた。下山時には、ゲートの撤去工事が始まっていた。登山道はこの峠から山頂にある「金花山神社」まで参道が通じていた。

 参道の入り口。車でも走行は可能であった。新緑の参道は歩いても35分程度でした。参道を歩いている途中で数台の軽トラが抜いていった。助手席に神主さんが同乗している姿もみえた。

参道はよく整備されている。5月2日は例大祭なので事前に荒れているところは砂利をいれて整備したそうだ。(地元長泥地区の責任者談)

不法投棄?された車の残骸があった。

例大祭に参加する人たちの車が見えてきた。終点には駐車場があるわけではなく、路肩にとめている。

参道終点から金花神社の鳥居をくぐって山頂に向かう。

鳥居からは階段状の道になっている。(関係者が多数いたので下山時撮影)

山頂にある神社(下山時撮影)

神社(下山時撮影)、ここで例大祭が行われた。15人程(私たちも含めて)がこの中に入って行て祭りを実施した。例大祭は10時からの予定で、山頂には丁度10時に到着。神社にいくと中に入って参加するようにと促され、最初は地元の人でもないので断ったが強く勧められたのでパートナーと参加することにした。狭い神社の中なので密集状態のなか、神主の祝詞がしめやかに始まった。その後、地区の代表の方が挨拶されてお神酒をふるまわれ、宴会となった。さすがに宴会には参加を辞退したが、饅頭などのおいしいい食べ物を少しいただいた。昨日の地区の避難解除のあとの大祭だったので参加者にとっても特別な思いがあったようです。参加していた新聞記者の人が大祭の模様を撮影されていた。この山の名前は戦山で「たたかいやま」と読みます。震災にたいする「たたかい」をしめすような山名とそこにある神社、なにかを感じられずにはいられない。なお、大祭については写真撮影はしませんでした。

神社の奥に三角点があった

神社裏の陽のあたる場所は太平洋が見える位置になるので、この位置にMicrovertを設置。樹木があるのでかすかに見える程度です。

 無線は、例大祭に途中まで参加したので予定した時間を過ぎてしまった。アンテナの準備をしていたら、取材中の新聞記者から取材を受けた。この神社の地元である長泥地区が避難解除され、避難が続いているあいだもこの神社は手入れしていたこと、および399号線の通行止めも解除され例大祭が実施されることについての感想など聞かれた。昨日の長泥地区の避難解除の記事も執筆されたそうで、その新聞紙も参加者が持参していた。なお、翌日の新聞にこの例大祭についての記事が掲載されていた。当然、私の取材コメントはなかった。
 無線機はQDXを使用。神社横にいつものMicrovertを設置。SPOTしてCQを出すと順調にチェイサー各局と交信することができた。
無線を行っている間に、神社の中で宴会を行っていた地元の人たちもあとかたずけを始めている。無線の撤去を終わり地元の人たちにお礼を述べて、地元の人たちより少し遅れて下山を開始した。みんな車で来ているのであっという間に誰もいなくなった。静かになった新緑のゆるやかな参道をのんびりと歩いて駐車位置までもどった。参道や神社など綺麗に整備されてこの神社は地元長泥地区の象徴になっており、例大祭は特別な思いが感じられ参加させていただいてよかった。神社の直下まで車で来ることもできますが、参道を歩いていくことをお勧めします。

■運用実績■
 40m/FT8 9局

 

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